御祭神
 
 
 
 
 

住吉大神(底筒男命・中筒男命・表筒男命・神功皇后)

~お祓い・海・更正、清めの神~

 
住吉神社の主祭神である住吉大神(すみよしのおおかみ)は別名「住吉三神」ともいい、「底筒男命・中筒男命・表筒男命」の三神であり、また三韓征伐の際、住吉大神を信仰した神功皇后も含めて住吉大神といいます。
 
「住吉」は元々「澄江(すみのえ)」といい、澄んだ入り江の事をいいました。
 
『古事記』『日本書紀』の日本神話では伊邪那岐命が黄泉の国から帰った際、筑紫の日向の橘の小戸で禊ぎ祓いをした時に生まれた神様です。底筒男命・中筒男命・表筒男命とはその禊ぎで水底・水中・水上にておこなった時に生まれた神様です。
 
古代、神功皇后(十四代天皇の皇后)は三韓征伐の際、住吉大神のお導きによる龍神から『如意珠』を授かり無事に出産し、帰還したと言う伝説があります。
 
『日本書紀』巻九によれば、住吉大神はもともと「日向国の橘小門の水底に」いた神であり、海龍王国という「常世」異界から来た神という位置づけであり、水底・海底が「常世」という古代、海のかなたにあると考えられた不老不死の国が後に「龍宮」と言われる様になりました。
 
龍宮は「海宮、龍宮城」とも言い龍神の住む所と言われてます。
 
そして龍宮は海にある事から、「海=産み」であり、龍宮は「子宮」を表し水底にある龍宮に行く事は胎内回帰とも言われております。
 
さらに『一寸法師』で子宝に恵まれなかった初老の夫婦が住吉神社にお参りし、子供を授かったところから子授り、縁結びの御神徳としても崇敬されています。
 
 

 天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)
伊勢神宮の祭神であり、太陽神とされ住吉大神同様に伊邪那岐命が黄泉の国から帰った際、筑紫の日向の橘の小戸で禊ぎ祓いをした時に生まれた神様です。
 

伊邪那美命(いざなみのみこと)
伊邪那岐命と共に国生みを行った女神。神生みの際に火傷で命を落とし、黄泉の国へ行った事から黄泉大神(よもつおおかみ)とも言われてます。 
 

事解男命(ことさかおのみこと)
伊邪那岐命の御子。
 

早玉男命(はやたまおのみこと)
伊邪那岐命の御子。
 

稲倉魂命(うかのみたまのみこと)
通称「おいなりさん」である稲荷神社の御祭神。
 

八街彦命(やちまたひこのみこと)
別名 猿田彦大神。天孫降臨の際に先導をした神。
神輿の渡御の先導として現在で広く認知されており、また先導をした事から交通安全の神徳としても尊崇されております。
 

菊理姫命(くくりひめのみこと)
伊邪那岐命が伊邪那美命を追って黄泉の国へ行き、逃げ帰ろうとして争われた時に仲裁に入った神。
 

阿志古根命(あしこねのみこと)《第六天》 
本来は阿夜詞志古泥神というはずですが、明治の神仏分離の際に、誤って付けられたと思われます。また大地を形成する神でありますが、元々は仏教・特に修験道で信仰された天界最高位の『第六天』または『第六天魔王』と説かれています。
かつて井土ヶ谷に「第六天社」があり合祀されましたが、明治以前は様々な地で多く祀られてました。第六天は寿命は人間の1600歳を1日とし16000歳の長寿とされ、また男女に対し自由に交淫・受胎が出来、他人を楽しませる事を楽しむ事から『他化自在天』とも言われてます。
ゆえに結婚・長寿のご利益があるとされております。
 

十二天大神(じゅうにてんおおかみ) 
十二天とは仏神でこの世を守護する護方の12の神々であり、 また不動明王の守護神でもあります。 役割としては
 
(東)帝釈天 (東南)火天 (南)焔魔天 (西南)羅刹天 (西)水天 (西北)風天 (北)毘沙門天 (東北)伊舎那天 (天)梵天 (地)地天 (日)日天 (月)月天
 
明治の神仏分離の際に十二天社が十二所神社と変更になり、同時に御祭神も前述の第六天同様、神道の神々に変更されてますが、当社の場合はっきりした事が不明であり『十二天大神』として祀られております。
 
 

境内社の御祭神

 
 
秋葉神社 龍神
龍は一般的には水神のイメージが強いですが、人々の言葉や想いを理解し、あらゆる万物に宿っているとされ、さらには心の中にも鎮まり、心そのものであるとも言われております。それは『管子』という書物の第十四「水地第三十九」に、
 
《龍は水の中で生まれ、五色に彩られながら泳ぐ。それゆえ「神」なのである。 小さくなろうとすれば変身して虫ほどにもなり、大きくなろうと思えば天地を覆うほどにもなる。 天に上ると雲より上に、下ろうとすれば深い泉にも入る。 変幻自在で「日無く、時無き」、これを「神」という。》
 
とあり、五色は五行(木火土金水)の事で龍は変幻自在であり時空をものともしない 超越的な存在であると同時にこれは心そのものを表しています。
 
また、龍は同じ発音である「流(りゅう)」でもあり、あらゆる流れでもあります。 水の流れ・人、社会、時の流れ等、目に見える物から見えないものまでです。

庚申塔
庚申塔は庚申塚ともいい、人間の体内にいるという三尸虫という虫が、寝ている間に天帝にその人間の悪事を報告しに行くのを防ぐため、建てられました。現在でも多くの場所に庚申塔があり、今でいう「標識」の様な役割をしていました。
 

猿田彦大神
天孫降臨の際に先導をした神。また庚申、天狗の神とされて、交通安全・旅の神として尊崇されてきました。
 

御嶽神社
国常立尊(くにのとこたちのみこと) 豊斟渟尊(とよくむぬのみこと) 国狭槌尊(くにさつちのみこと)
 
天地開闢の3神で国常立尊 豊斟渟尊 国狭槌尊の順番に化生されたとしています。「古事記」「日本書紀」共に神名しか出てこない為、様々な解釈がありますが、大地を守護するという神徳が一般的な様です。
 

不動明王
不動明王は元々サンスクリット語で「アチャラナータ(揺かざる守護者)」といい、大日如来の化身、または使者とされており、日本に伝わり「観音様・地蔵様」と並んで「お不動さん」と親しまれ大日大聖不動明王・無動明王などとも呼ばれ、絶大な信仰を集めてきました。
 
当社の不動明王は石仏で制作年代は不詳(江戸時代だとも言われております)です。
 
不動明王の姿としては一般的には右手に利剣「大慧刀(だいえとう)」を持ち、左手には羂索を持ち、光背には火焔(迦樓羅炎(かるらえん))があり、右(向かって左)に制多迦童子(せいたかどうじ)、左(向かって右)に矜羯羅童子(こんがらどうじ)を従えてます。
 
元々当社の不動明王もこの姿でしたが、時代と共に制多迦童子・矜羯羅童子の顔が無くなり、そして不動明王の左腕までも無くなってしまいました。時には憤怒し、時には慈悲憐れみの心を持つ不動明王は身代わりとなって衆生(生ある全ての存在)を守ります。不動明王の両目の「天地眼」で世界を見通し、大慧刀で諸々の悪病災いを切り祓い、火焔で煩悩を焼き尽します不動明王は広大無辺のご利益を持っております。古くは国家安泰・武神・軍神とされ、近年では厄祓・交通安全・家内安全・・・等等です。
 
不動明王は顔は憤怒の表情ですが、その心は厳しく優しさに溢れたものであり、信仰される理由の一つであります
 

稲荷神社 稲荷大神 白龍弁財天
稲荷神社は「おいなりさん」として親しまれ主に商売繁盛のご利益で有名です。 また、家内・交通安全、五穀豊穣などなど・・・様々なご利益があり霊験あらたかです。
 
御祭神としては『宇迦之御魂神(うかにみたまのかみ)』とされてます。
 

白龍弁財天(八大龍王) 
弁財天は弁才天ともいい、財宝のみでなく才能の意味を表してます。元は「サラスバティー」というインドで生まれた元は川の神様です。その後「ヴァーチ」という言語の神様と習合して芸術の神徳も加わりました。日本では七福神の一人、唯一の女神として篤く信仰されて来ました。
 
弁財天は時代と共にあらゆる神仏と融合し、「弁財天根本式」には『弁財天は八大龍王と示しては四海に恩波を注ぐ・・・。』とあり、弁財天にある八本の腕は八大龍王、さらに弁財天自身の頭をも龍として九頭龍大権現、八識、八大観音(如意輪観音・馬頭観音・准胝観音・聖観音・千手観音・十一面観音・不空羂索観音・白衣観音)の総体を表すとされております。
 
八大龍王とは其の名の通り、八首(八人)の龍王の総称であり数多い龍王(龍神)の中の有力な王です。八大龍王は弁財天の秘体だともいわれ、「護法善神」といい、あらゆる物事を守護する役目です。特に有名なのは「法華経」に出て来る八大龍王ですが、その他の経典では異なる龍王が八首出て来る場合もある為、決まったものではありません。
 
このように稀にみる複合神となり信仰の深さを物語っております。
 
白龍は正に白い龍の事でどの龍よりも早く飛ぶ事が出来ると言われております。白龍は太陽の事を表し、7色が合わさった白光(八光)です。
 
白龍(白蛇)は弁財天そのもの、または化身とも言われており日本独特の神様「宇賀神」とも言われております。このような事から白龍と弁財天との習合がされました。
 
また、弁財天は八大龍王であり、九頭龍である事から、龍神信仰・観音信仰そして弁財天信仰が結び付いたのが『白龍弁財天』です。